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京都市伏見区K様邸2階リフォーム完成しました

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京都市 田中工務店 このいえリフォームです

伏見の旧市街にお住まいのKさまよりご相談を頂きました

築150年を超える町家にお住まいなのですが

お子様も大きくなってきたので、全く使っていない

2階を居住スペースとしてかつようしたいとのこと

早速現場を拝見します

 

1階部分は現在ご家族でお住まい中で

そのままにしたいとのこと

2階だけを拝見します

30年前までは先代が寝室として使われていたそうですが

なまじ広いおうちなので、だんだん使わなくなってきたそうです

立派な床の間もあります

座敷の隣にはもう一部屋あります

縁側はガラス戸が撤去され、雨戸だけです

なかなかファイトが湧く建物です

 

ここで悩んだ点が2つあります

 

まずひとつは、ほぼ文化財レベルの建物という点です

柱や梁はとてもいい材料が使ってあり

しっかりしているのですが

経年劣化でゆがみが生じています

現代に生きる建築業者として、古い部材を極力残して

「いつでも復元できる」ことを念頭に

施工内容を吟味しました

 

二つ目は資材の搬入です

1階は居住スペースです

工事期間がそれなりにかかるので

毎日お住まいの場所を通ることは実質的に不可能です

おまけに町家建てなので、玄関以外の搬入経路が

かなり限定されます

この点については、あえて外部足場と外部通路を組んで

ほぼ中を通らずに施工できるようにしました

ここはこのいえの経験値なのです!

 

概要が決まったので、まずは不要部分の解体です

畳や天井板を撤去して、すっからかんにします

ついでに不要な家財も処分させていただきました

天井をめくると、驚くほど立派な松丸太梁がありました

ホント文化財レベルなのです!

ここからは大工造作です

基本方針は「上から貼る」「元のモノを毀損しない」で

進めます

土壁は、Kさまからポロポロ落ちてくるのが困るので

クロス貼りにしてくださいとのご要望がありました

150年前にはなかったものの、現代では断熱は必須です

高性能ペアガラスサッシを入れます

もちろん天井や壁には断熱材をしっかりと!

 

できました~

快適に生活できる、フローリングの部屋です

京間の8畳なので、広いです

なおかつ縁側を居室に取り込んだので

更に広くなってます

施工前と同じよう、隣の間とは扉で続き間にしました

敷居・鴨居をこだわって残したのですが

なかなか建具が納まらず、大工さんに怒られました

敷居ぐらい入れ替えてもよかったかも…

 

今回こだわったのは床の間です

塗装&クロス仕上げにしましたが

もともとの状態を極力維持しました

Kさまからは「いらないのでは?」との意見も頂いたのですが

あまりに立派なので、説得して残させていただきました

 

残るは1階との接続部分です

現状の階段は、町家おなじみの「箪笥階段」でした

箪笥階段はそのまま、通路部分を改修します

もともと暗く、床の軋みもひどくて

お子さんが「お化けが出るから上がらない!」と

言ってたそうです

ここも現状はそのまま、壁を塗装して

床はカーペットを上貼りします

もちろん電灯も増やします

これだけでもずいぶん雰囲気が変わるのです

 

今回の工事は、納まりというより

基本的にどうしようかという点で悩んだ工事でした

予算と工期に制限がないなら「復元修復」で

元あった状態を維持して改修できます

ただ、Kさまのご要望は「住まいのリフォーム」であって

文化財の修復ではありません

おまけに当たり前ですが、予算は限られています

 

床の間なんて使わない部分は取り壊して

全部大壁(柱に木材を打ち付けてフラットな壁にする)にして

鴨居を落としてパナソニックの内装建具を入れることは簡単です

ただ、何代もにわたって維持されてきた立派な町家を

利便性と工期短縮だけで後戻りできない状態にすることには

大変抵抗を感じました

その折り合いとして、Kさまともご相談の上

今回のような形に納まりました

ちょっと自己主張しすぎたかも…と少々反省しています

 

先日プチ旅行で岐阜県の美濃市に行ってきました

紙問屋さんだった古いおうちを見学しましたが

時代によって改変した場所や、驚くほど昔のまま残されている部位

はたまた現在の観光施設として改変されている箇所があり

考えさせられるとともに上手くされていて

大変勉強になりました

 

同じものがひとつとしてなく

正解がないのもリフォームですね

 

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